この国税庁が発表している建物の耐用年数は税務申告上の償却期間のことなのです。
外壁塗装も含んだ建物全体での耐用年数という感じですね。
外壁塗装に関係する耐用年数とは、
- 国税庁が発表している建築材ごとの建物の耐用年数
- 塗料の耐用年数
という2種類あります。
1.外壁塗装に関する建物の耐用年数が減価償却の期間
外壁塗装は建物の耐用年数を維持するために行われるものですので、建物の耐用年数に関係しています。
外壁塗装の費用を確定申告など税務申告上、経費で計上する場合などには、
国税庁が発表している建築材ごとの建物の耐用年数が減価償却期間として使用されます。
例えば
木造の住宅の外壁塗装工事を100万円で施工したとします。
木造住宅は国税庁発表の法定耐用期間が22年ですので100万円を22年間で割ります。
22年の間、毎年の減価償却費が約45000円ほどになります。
という感じです。
減価償却(げんかしょうきゃく)とは
企業会計に関する購入費用の認識と計算の方法のひとつである。長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きである。
外壁塗装費用を経費計上する場合、
修繕費か資本的支出かどちらで処理するかを判断していかなければいけません。
耐用年数ってどういうことか
耐用年数とは、その建物がどれくらい使用できるのかという寿命を表す場合に使用される言葉です。
ただその言葉の意味合いが用途などによってかなり幅広く解釈されて使用されています。
法定耐用年数
税務申告の際などには、国税庁が発表している法定耐用年数がを用います。
この法定耐用年数とは、実際の建物の物理的な寿命を考えたうえで法律に基づいて定められた資産の減価償却期間ということです。
この年数に関してはあくまで目安の年数です。
経済的耐用年数
経済的耐用年数とは、その建物に価値またその使用目的を充分に使用目的を満足できうる期間、
つまり建物が新築のときから無価値になるまでの期間を表します。
国税庁が発表している耐用年数とは?
国税庁が発表している建物の法定耐用年数です。
国税庁ホームページより引用
主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)
構造・用途 | 細 目 | 耐用 年数 |
---|---|---|
木造・合成樹脂造のもの | 事務所用のもの 店舗用・住宅用のもの 飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) | 24 22 20 17 12 15 |
木骨モルタル造の もの | 事務所用のもの 店舗用・住宅用のもの 飲食店用のもの 旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) | 22 20 19 15 11 14 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの | 事務所用のもの 住宅用のもの 飲食店用のもの 延面積のうちに占める木造内装部分の 面積が30%を超えるもの その他のもの 旅館用・ホテル用のもの 延面積のうちに占める木造内装部分の 面積が30%を超えるもの その他のもの 店舗用・病院用のもの 車庫用のもの 公衆浴場用のもの 工場用・倉庫用のもの(一般用) | 50 47
34 41 31 39 39 38 31 38 |
ほかの建物に関しての記載もあります⇒【国税庁】耐用年数一覧表
結構細かく建物の用途別に割合なども発表されています。
耐用年数と耐久年数は違う
「耐用年数」と「耐久年数」は似たような意味で使われ足りするのですが、
実際にはその意味にちょっと違いがあるのです。
耐久年数は、耐用年数と混同しやすいのですが、
各住宅メーカーなどが独自基準として設けている目安の期間です。
つまり「問題なく住宅として使用できる年数」ということです。
この期間はあくまでも期待値で期間を過ぎても問題ない場合もありますし
それ以前に何かしら問題が発生することもあるということもあります。
2.外壁塗装の塗料に関する耐用年数とは?
外壁塗装に関する耐用年数で塗料に関する耐用年数とはどういうことなのでしょか。
塗料の耐用年数とは、
「塗装したときから、その塗装が劣化してチョーキング(粉が手につく)、ひび割れなど、様々な劣化症状が発生するまでの期間」
のことを差します。
外壁塗装の塗料の耐用年数
外壁塗装の耐用年数は外壁塗装に使用する塗料の種類によってかなりの違いがあります。
各塗料メーカー様々な塗料を発売していますが、
塗料のそれぞれの種類ごとに耐用年数やその性質・特徴は全く異なります。
塗料に関しての耐用年数はあくまでも塗料メーカーそれぞれの検証による期待値であって、
法律で定めているわけではありません。
外壁塗装で使われる主な塗料の耐用年数
塗料の種類 | 耐用年数目安 | 特性・特徴 |
アクリル系塗料 | 3~6年 | 一昔前にはウレタン全盛期でしたが最近やや減少傾向の種類です。コスト的にも施工面でも優れているのですが耐久性がシリコンなどに比べて劣ります。 |
ウレタン系塗料 | 6~10年 | 一昔前にはウレタン全盛期でしたが最近やや減少傾向の種類です。コスト的にも施工面でも優れているのですが耐久性がシリコンなどに比べて劣ります。 |
シリコン系塗料 | 8~12年 | ここ最近の外壁塗装では最も人気の塗料です。価格に対する性能のバランスの良い耐久性の高い塗料です。塗り替える周期にマッチする塗料ともいわれます。 |
フッ素系塗料 | 10~16年 | 一般的なエマルション塗料の中では最高グレードの塗料になります。長期間、塗膜が持続しますので塗料としての性能も長持ちします。ただ費用的にコストが高めです。 |
無機塗料 | 10~15年(25年) | 無機であるガラスを塗料に混ぜ込んだ塗料です。かなりの長期間、塗装の効果が持続します。屋根など劣化が激しい部位によく使用されることでその超耐久性を発揮するのですが、コストがとても高いです。 |
ラジカル塗料 | 8~15年 | 耐久度に信頼のある塗料で、2012年に発売された新しい塗料です。シリコン系塗料のようなコストパフォーマンスでシリコンより少し上位にあります。 |
光触媒塗料 | 10~15年 | 太陽光が当たって雨で汚れが落ちるというセルフクリーニング効果があります。発売当初は価格が安定せず高騰しているときあったのですが、最近は価格も落ち着いてきました。 |
耐用年数や機能性が上がるほどに塗料の値段も上がっていくという傾向があります。
そのため、必要以上に高価な塗料を選択するのではなく、
外壁の状態や予算を考慮の上、
最適な塗料を選択するのが良いでしょう。
外壁塗装の塗料選び 耐用年数の考え方
外壁塗装の塗料を選択する際、
塗料期間の耐用期間で考えることができます。
一度だけの外壁塗装工事の費用を、考えるのではなく、
そのお家に住んでいる間の期間に何回も外壁塗装をするのかという、
トータルでの考え方です。
外壁塗装の塗料のことなど一般的な知識を深めたい方に向けて書いてます。⇩
あなたがそのお家に住む間、何回外壁塗装が必要ですか?
例えば、ウレタン系と無機塗料では、耐用年数が10年違ってきたりします。
あなたがそのお家に住む間、
「何回外壁塗装が必要ですか?」
ということです。
仮に30年間とした場合、
ウレタン系塗料の場合、4〜5回、無機塗料の場合、2回
という計算になります。
これはあくまでも塗料メーカーの耐用年数だけの計算ですので、実際のお家の状況で変化はあります。
このように考えると現在の塗料の種類全体で見たときに耐用年数と費用のバランスのよい、
シリコン系塗料、ラジカル塗料、が選ばれることが多いです。
外壁塗装は経費計上できます。
外壁塗装の工事費用は建物を維持するために必要という名目で、基本的には、修繕費という名目で経費として計上できます。
ですが塗装の目的によっては、修繕費として認められないケースもありますのでちょっと注意が必要です。
ですので経費に関しての目線でしっかり工事内容を把握しておいた方が良いですね。
修繕費か資本的支出か?
外壁塗装などのお家や建物の修理やメンテナンスを行った場合の工事費用は次の2つで経費計上されます。
- 修繕費:資産の原状回復・維持のための修理であること
- 資本的支出:建物の価値や性能、耐久性を向上させることを目的とするもの
修繕費で計上する場合は、一括で経費計上できますのでその年の税金の節税になるかのせいもあります。
資本的支出での計上であれば、外壁塗装の工事費用を資産として計上して減価償却の手続きとして国税庁の定める償却期間の間、計上されていきます。
防水に関する国税庁の発表する耐用年数
屋上防水の費用も経費計上できます。
ですが、その際には外壁塗装と同様に修繕費か資本的支出かという判断のところで悩むことが多いです。
屋上の防水工事は通常、
建物を維持するために不可欠となる定期工事費に該当するので、
修繕費とみなされることが多いです。
防水の耐用年数
防水層の種類や防水の工法によって耐用年数は違います。
総合技術開発プロジェクトによって作成された
「建築防水の耐久性向上技術」の中の「防水層の標準耐用年数」によると、
アスファルト防水押えコンクリート仕上げの場合は17年、
露出アスファルト防水の場合は13年、
シート防水(塩ビシート、ゴムシート)の場合は13年、
ウレタン塗膜防水の場合は10年
と示されています。
屋根に関する国税庁の発表する耐用年数
屋根に関しても屋根の工事費用が修繕費となるか資本的支出となるかという判断に悩まされます。
「その屋根の工事が建物を維持するために不可欠となる定期工事かどうか」というところが判断の分かれ目となります。
屋根の耐用年数
国税庁は屋根自体での耐用年数が設定していません。
屋根にはその屋根の付随する建物の耐用年数が適用されます。
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耐震補強工事の費用
ちなみに耐震補強工事の費用は資本的支出に該当します。
また、耐震補強工事の耐震診断の費用は損金計上されます。
ざっくりとですが、外壁塗装、防水、屋根に関係する国税庁発表の耐用年数と塗料の耐用年数について説明してみました。
工事費用面、税金・経費面のことは、各建物の状況などによってかなり違いが出てきます。
実際に外壁塗装、防水、屋根工事の費用を確定申告などで経費で計上する際には、外壁塗装が修繕費か資本的支出かという問題も出てきます。
この辺の解釈は分かれるところですので、信頼できる業者に相談してみるのが良いでしょう。
これから外壁塗装を始める方へ
「いざ業者に電話!!見積もりだ!!」 の前に・・・
外壁塗装の工事において、
業者を選択するところから工事は始まっています。
いきなり業者に電話して見積もりを取ってもらうのはちょっと不安…、
という方は、
ネットからでも見積もりが取れる、
無料の一括見積りサイトというサービスもあります。
この一括見積りサイトは、まず完全無料で複数業者の外壁塗装の見積もりが取れるというサービスです。
ただしネット上ででわかる見積もりは、あくまでもざっくりとしたものです。
最終的には実際に業者がお家に来て、見て、測ってからの見積もりになりますが、
手始めにはちょうど良いかもしれません。
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